血管の病気

血管新生療法

血管新生療法は有効か?どんな方法か?

バイパスする末梢動脈がないか自家静脈グラフトがないなどの手術不可能例に対し2つの血管新生療法が行われています。一つはVEGF、bFGF、肝細胞増殖因子(HGF)1などの遺伝子治療で、HGFプラスミド遺伝子治療は虚血肢に筋注する方法で国内多施設2重盲検臨床試験進行中です。今一つは単核球細胞を虚血肢に筋注する方法です。単核球細胞を腸骨骨髄より採取する方法2と末梢血から分離する方法あるいはgranulocyte colony stimulating factorを投与し幹細胞を骨髄から末梢に動員して、アフェレレシスによりCD34陽性末梢血幹細胞を採取する方法があり、全身麻酔下で虚血肢下腿・足部の40箇所以上に筋肉内注射します。いずれも高度先進医療として現在臨床応用されています。

血管新生療法はどのような例に?どの程度効くのか?

血管新生療法後のABI上昇(腕の血圧に対する足首の血圧の比率)はHGF遺伝子治療0.2、骨髄細胞移植0.1 、末梢血幹細胞移植0.02で2、これらは重症虚血を軽度改善して切断を回避させる可能性はあり得ますが、なお多くの問題があります。即ち、適応(どんな例が効くのか)が明確でなく、自然寛解との区別がつかない(重症例でも約20%は自然に良くなってきます)、効果発現に要する時間や持続性のデータがないなど、未だに臨床上信頼して採用するにたる証拠に乏しいのです。特に維持透析例への適用は慎重を要すること、またこれらを適応するための条件となる“手術不能例”の判定は施設毎の外科医のレベルに差があるため、客観性がありません。そのため実施前に、まずは患者に手術可能な施設を広く紹介する姿勢が求められますが、現在はどの施設もそれを全く行っていません。

  1. Taniyama Y, Morishita R, Aoki M et al. Therapeutic angiogenesis induced by human hepatocyte growth factor gene in rat and rabbit hindlimb ischemia models: Preclinical study for treatment of peripheral arterial disease. Gene Ther 8:181-189;2001
  2. Tateishi-Yuyama E, Matsubara H, Murohara T, et al: Thrapeutic angiogenesis for patients with limb ischemia by autologous transplantation of bone marrow cells: A pilot study and a randomised controlled trial. Lancet 360:427-435;2002
血管の病気に関するお問い合せ・連絡先
第一外科教授 笹嶋 唯博
tel.0166-68-2490 fax.0166-68-2499
e-mail:sasajima@asahikawa-med.ac.jp

毎月一回東京新宿石川病院にて血管外来を診ていますので
ご希望の方は、上記へご連絡下さい。

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