旭川医大病院での心臓大血管手術を紹介された方、希望される患者さまへ
クリニカルパス(検査、入院、手術、退院の日程予定を明示します)を採用しています。これにより医療行為が無駄なく進められ、患者さんはご自身の治療予定を把握でき、結果的に入院、治療に要する期間も短縮されます。
前医や循環器内科で診断が確定し、必要な検査がすでに行われている時
原則的には外来(水曜日午後)で実際の手術の方法やリスクの説明、入院日、手術予定日などをご相談いたします。可能な限り家族の方と一緒に御来院下さい。
診断が不確定の時 検査が不十分の時
最終的に手術が必要かどうか、または危険性が確定できていない患者様は確定診断のための検査を行います。検査は可能な限り外来で行いますが入院して検査することもあります。診断が確定したら、患者様とご家族に手術の同意を頂くための説明をします。同意をいただければ入院日や手術予定日などの相談を行います。
入院(入院日近くにもう一度確認のご連絡をします。)
手術日には通常8時45分に手術室に入室します。麻酔の他いろいろな準備があり、実際に手術が始まるのは1-2時間後になります。手術時間は疾患や手術の種類によってさまざまです。手術施行中はICUの控え室で待機願います。手術終了時に担当医から手術内容についてご家族に説明があります。ICUの入室期間は、1-2日がほとんどですが状況によって1週間程度在室していただくこともあります。
病棟でのリハビリ -術後療養期間-
ICU退室後は病棟で歩行リハビリ訓練を行います。抜糸は通常術後7日目です。病気や手術の種類によりますが術後2-3週間で退院可能となります。それ以上の入院をご希望される時には市内や地元の病院と相談し、患者様のニーズに応じてご紹介させていただきます。
退院後
外科外来に受診していただきます。最初は1-2週間後、その後は1-3か月、最終的には6-12ヶ月おきに受診していただきます。内服薬はご紹介いただいた先生や地元の病院から処方していただくことになります。
先天性心疾患 Congenital heart disease
先天性心疾患は生まれつき心臓に何らかの異常をもった状態ですが、その種類により発症時期は違ってきます。心臓専門小児科医による超音波診断や、心カテーテル検査で、その異常な状態や重症度がわかります。診断がついても、治療の必要ない例や、経過観察で良い例なども多くあります。また専門医によるカテーテルを用いた治療法も多く行われてきています。しかし多くは心臓外科の中でも特に専門性の高い小児心臓外科医により直接心臓に対するいろいろな修復(手術)が行われます。
超未熟児を含む新生児から乳児、幼児、学童期及び成人にいたるすべての先天性心疾患に対し手術を行っております。特にNICUに搬入される体重1000g以下の動脈管遺残を始め、総肺静脈灌流異常、大血管転位、大動脈縮窄など新生児の緊急手術が必要とされる症例を、市内はもとより道北、道東各地から24時間受け入れています。
幼児や学童に見られる心房中隔欠損症などでは創の小さい手術(胸骨を一部のみ切開)を施行して、直接、確実に穴を塞ぐ方法を採用しています。
また小児センターが設立されているため、診断から手術まで同一の病棟の看護師と小児科、心臓外科、麻酔科、小児外科とのチームによる一貫した治療を提供しています。
虚血性心疾患 Ischmic heart disease
心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患では、循環器内科による体の負担の少ないカテーテル手術が第一選択ですが、手術しか治療できないときや、手術を選択したほうが患者さんに有利な時に、手術(冠動脈バイパス手術)がおこなわれております。
余裕のある待機手術例では、人工心肺を使用せず心臓を動かしたまま行う、体に対する侵襲の少ないオフポンプバイパス手術を、緊急手術や重症例では人工心肺で心臓に負担を減らし、かつ心臓を停止することのない拍動下のバイパス手術を行っております。さらに心筋梗塞に伴う心破裂や心室中隔穿孔、僧帽弁閉鎖不全に、心室瘤など心筋梗塞発症後の救命や、機能を良くする手術も施行しています。
図:人工心肺を使用せずに左内胸動脈を心臓の前下行枝に吻合した。
(オフポンプバイパス手術)
弁膜症 valvular disease
弁膜症は心臓の4つの部屋の出口ある4つの弁が重要な役割を果たしています。その弁が硬くなって出口を塞いだり(弁狭窄)、漏れが起きて血流が下の部屋に戻ってしまう閉鎖不全症があります。そのなかでも左心室の出口で大動脈の入り口にある大動脈弁が硬くなる大動脈弁狭窄症が近年増加しています。高齢者に多いこの疾患では食事や薬の制限の少ない生体弁を用いた弁置換術を施行しています。
左心房と左心室の間にある僧帽弁の逆流がおきる僧帽弁閉鎖不全症は、生まれつきのものから細菌感染など色々な原因でなります。この病気に対しては弁を修理する弁形成術及び合併する不整脈に対するメイズ手術が有効です。これらの手術により可能な限り術後質の高い生活を目指します。
致死性不整脈に対する外科 Cardiac Surgery for Arythmia
心筋症や虚血性心疾患など色々な原因で引き起こされる生命に危険な不整脈が出た時にそれを自動的監視して心臓に電気ショックを与えるICD(植え込み型除細動器)の有効性が日米で証明されています。当院はICD(植え込み型除細動器)の認定施設です。通常のペースメーカーや心不全に対する両室ペーシングなど、循環期内科不整脈グループと協力して行っております。
無輸血手術のための自己血貯血
心臓手術は多くの輸血が必要な例がほとんどですが、前もって自分の血液を保存したり(自己血の貯血)体内の赤血球の量を増やすことにより一切輸血しないで終了することも可能です。個々の症例によって自己血の貯血を進めておりますのでご相談ください。
連絡先
- 心臓外科担当医 郷 一知(救急部教授)/赤坂 伸之(第1外科講師)
- tel.0166-68-2494 E-mail:glaksk@asahikawa-med.ac.jp


